2005年04月

2005年04月29日

題詠マラソン 過去ログ21から

010:線路 たなかたかと 2005年03月07日 (月) 20時31分
四畳半の万年床のその下に行き先のない線路がのびる


009:眠 たなかたかと 2005年03月07日 (月) 20時30分
千年の眠り覚ました大仏がおしりを一度あげてまた寝る


006:時 たなかたかと 2005年03月07日 (月) 20時29分
一対の狛犬と目が合う場所で壊れた時計が動き始める


010:線路 林義子 2005年03月07日 (月) 20時24分
永遠に線路を歩きいるわたし終点などは見ざるともよし


013:焦 香乃 2005年03月07日 (月) 19時33分
帰ろかな お焦げの飯に醤油かけ祖母の火加減変わらぬうちに


010:線路 ピッピ 2005年03月07日 (月) 19時04分
踏切のおりた線路で私にはみえないものが走って消えた


023:うさぎ 穴井苑子 2005年03月07日 (月) 18時23分
うさぎにはうさぎとしての わたしにはわたしとしての捨てられぬもの


043:馬 川内青泉 2005年03月07日 (月) 18時08分
じゃじゃ馬と言われたわたし苦にもせず手綱さばきよく導きし夫


005:サラダ 伊波虎英 2005年03月07日 (月) 17時46分
しやきしやきとサラダすなはち北原白秋(はくしう)のさびしみを食む四月昼なか


010:線路 阿部定一郎 2005年03月07日 (月) 16時50分
目障りなことに線路が二本とも捨てたつもりの国につながる


002:色 阿部定一郎 2005年03月07日 (月) 16時48分
闇の色は黒ならず日々うつろいてつねに光の色のさかしま


010:線路 sei 2005年03月07日 (月) 16時18分
泣きながら車を転がせ二号線路面温度の下がらない夜


006:時 sei 2005年03月07日 (月) 16時16分
少年の目のなかに時はうつろひて置いてけぼりの猫の鳴き声


059:十字 春畑 茜 2005年03月07日 (月) 16時15分
だいこんの花の十字のさびしさやついに娶らぬ長兄のごと


004:淡 sei 2005年03月07日 (月) 16時15分
ゆき淡くとけてゆくなり何ひとつ叶はぬことのなき春の日に


056:松 春畑 茜 2005年03月07日 (月) 16時12分
雨の日の記憶にほそくつづくみち落葉松の影青くけぶれる


054:靴下 春畑 茜 2005年03月07日 (月) 16時10分
靴下を春のひかりに吊るしやるひゃくねんせんねんゆめみるがよき


007:発見 前野真左子 2005年03月07日 (月) 15時46分
火葬場で君に発見されるまで隠し通そう私の尻尾


034:背中 蜂田 聞 2005年03月07日 (月) 14時58分
お互いに投げ出すものの受けとめぬ背中合わせの二人なりけり


021:うたた寝 やそおとめ 2005年03月07日 (月) 14時25分
人類が二足歩行に覚えたる森のうたた寝うたたよろこび


019:アラビア やそおとめ 2005年03月07日 (月) 14時24分
春霞夏逃げ水のむかうがはアラビア女のアバヤが揺れる


018:教室 やそおとめ 2005年03月07日 (月) 14時23分
教室の海(わた)の底にてよこたはる絶滅危惧種でしたの わたし


003:つぼみ きじとら猫 2005年03月07日 (月) 13時32分
私利私欲保身渦巻く腐葉土につぼみの枝はたやすく枯れぬ


005:サラダ 青野ことり 2005年03月07日 (月) 12時51分
想い出はほろろ黄味色ほのめかすミモザサラダのような明るみ


016:たそがれ 足立尚彦 2005年03月07日 (月) 12時35分
たそがれといういいけがん いいかげんなのは彼だけなのではなくて


019:アラビア ハナ 2005年03月07日 (月) 11時47分
ふんわりとしとねにそっと埋もれる今宵わたしはアラビアの姫


017:陸 ハナ 2005年03月07日 (月) 11時45分
大陸と思えるような広い胸わたしは海でいればいいのね


016:たそがれ ハナ 2005年03月07日 (月) 11時44分
5歳児もたまにたそがれするらしいひとくちだけで残したプリン





at 08:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)題詠マラソン鑑賞 

題詠マラソン 過去ログ20から

014:主義 ハナ 2005年03月07日 (月) 11時40分
ゆでたまごならば白身でおでんなら黄身な主義です結婚しない?


055:ラーメン 田貫 砧 2005年03月07日 (月) 11時32分
割り箸で卵つつけばラーメンのスープに滲むおぼろ月かな


020:楽 吉野楓子 2005年03月07日 (月) 11時17分
極楽と地獄しかないあの世ならあの交差点まで迎えにきてね


028母 西中眞二郎 2005年03月07日 (月) 11時15分
いったんは母に供えし酒少し飲みてそろそろ眠らんとする


016:たそがれ 吉野楓子 2005年03月07日 (月) 10時52分
あかねさすたそがれどきの杵島山われもいつしか歌人きどりて


009:眠 樹里 2005年03月07日 (月) 09時50分
眠る水うちに宿せる鮟鱇の眼に映る始めての空


027:液体 鈴木英子 2005年03月07日 (月) 09時49分
砂時計、液体時計、落ちてゆく時間をたやすく返すわれの手


026:蜘蛛 鈴木英子 2005年03月07日 (月) 09時48分
蜘蛛の糸でも垂れくるならばちちははにいかにか太き慰めならん


016:たそがれ 鈴木英子 2005年03月07日 (月) 09時38分
消息を絶ちしひとをもたそがれはおなじ速さに浸すだろうか


001:声 野樹かずみ 2005年03月07日 (月) 08時30分
あるいは黄泉へつながっている亡きひとの声こだまする耳の洞窟


002:色 ひぐらしひなつ 2005年03月07日 (月) 02時14分
冬の陽に色をほどこすさみしさで階段に置くきみのevian


001:声 ひぐらしひなつ 2005年03月07日 (月) 02時14分
さめぎわにひろがる朝の声色がみどりとなって滴るまでを


092:届  謎野髭男 2005年03月07日 (月) 01時17分
南米をわが子旅する母待てり一秒千秋メール届くを


001:声(再投稿) ふき 2005年03月07日 (月) 00時26分
ラジオから声がしている朝顔のつたがわたしをからみとるまで


018教室 西中眞二郎 2005年03月07日 (月) 00時19分
馴染みたる新教室も壊されて母校はすべて過去となりたり


029:ならずもの クロネコ 2005年03月07日 (月) 00時03分
休日の 無精髭面 オレの顔 出所したての ならずものみてぇ…


004:淡 史之春風 2005年03月06日 (日) 23時58分
淡水で炭酸水で海水で水で涙をすすぐ今夜は


012:メガホン 落合朱美 2005年03月06日 (日) 23時40分
早春の訪れ告げむと黄水仙小さきメガホンつんともたげて


016:たそがれ 浜田道子 2005年03月06日 (日) 23時39分
たそがれの波止場にひとり黙然と老婆座りてカボス売りおり


009:眠(再投稿) 秋 2005年03月06日 (日) 23時28分
右足で終われなかったかなしさを囓って眠る月のないよる


003:つぼみ 藤本洋子 2005年03月06日 (日) 23時25分
私たちはひらく予定のないつぼみ だけどあなたに会えてよかった


004:淡(再投稿) 秋 2005年03月06日 (日) 23時25分
僕らもうおわりなんだよ。淡い繋ぎ目も深い深い海底


001:声(再投稿) 秋 2005年03月06日 (日) 23時23分
「人間て、恋する機械なのね」って指でアポロを割る君の声




at 08:05|PermalinkComments(3)TrackBack(0)題詠マラソン鑑賞 

題詠マラソン 過去ログ19から

007発見 りり 2005年03月06日 (日) 22時52分
世の中の小さな真実発見す皆は知ってた我は知らずに


021:うたた寝 ベティ 2005年03月06日 (日) 22時50分
合い鍵を君に渡したその日からうたた寝にさえサテンのドレス


つぼみ 植松法子 2005年03月06日 (日) 22時46分
つぼみ早やほぐれ来たるかきさらぎの丘はミモザの黄に染まりゆく


030:橋 春日山 2005年03月06日 (日) 22時43分
聖橋の下を電車で通るとき君に逢へざる若き日の顕つ


008:鞄 内田かおり 2005年03月06日 (日) 22時34分
ポケットのたくさん付いた鞄なら小さな秘密も隠せそうだし


006:時 森屋めぐみ 2005年03月06日 (日) 22時30分
目覚ましの鳴らない日曜ゆっくりと時をほどいて朝が始まる


時 華音 2005年03月06日 (日) 22時11分
蜜月の時はしずかに消え去りて倦怠だけが支配する夜


011:都 ハナ 2005年03月06日 (日) 21時56分
かあさんの手紙のせいで重くなる東京都指定生ごみ袋


045:パズル 尾崎弘子 2005年03月06日 (日) 21時44分
記憶からジグソーパズル組むやうに仕立てる架空である風景を


004:淡 ジテンふみお 2005年03月06日 (日) 20時51分
菜の花の淡きに三度自転車のベルを鳴らしてゆく女子生徒


002:色 ジテンふみお 2005年03月06日 (日) 20時48分
夕暮れて色も薄れるグランドにりんごを齧る音だけ響く


085:胸騒ぎ 謎野髭男 2005年03月06日 (日) 19時46分
ケータイの沈黙深く胸騒ぎ高まる矢先メールが無事告ぐ


001:声 五十嵐正人 2005年03月06日 (日) 19時44分
サヨナラもアイシテイルを言うときも震えているは同じ声帯


003:つぼみ 田丸まひる 2005年03月06日 (日) 19時10分
乳白のつぼみを間引く 誰にでも愛されているなんて思うな


010:線路 五十嵐きよみ 2005年03月06日 (日) 18時56分
思いきり反抗しても線路からはじき出された小石に過ぎず


001 声 河内 蜜柑 2005年03月06日 (日) 17時30分
ごんぎつね店番しつつ声に出しひとり読みおれば
客の気配す


079:ぬいぐるみ 謎野髭男 2005年03月06日 (日) 16時24分
ボロボロのぬいぐるみをば片時も離さぬ子らの怯えしものは


029:ならずもの 参田三太 2005年03月06日 (日) 16時22分
酔ふほどにならずものになりゆけば羊のやうな平素をかなしぶ




at 07:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)題詠マラソン鑑賞 

2005年04月25日

題詠マラソン 過去ログ18から

032:乾電池 蜂田 聞 2005年03月06日 (日) 15時32分
古くなった乾電池ばかり使うからすべての時計の時が異なる



018:教室 石井 一尋 2005年03月06日 (日) 14時58分
子供等の騒ぎし声も今は無くただ蝉の声する山辺の教室



051:泣きぼくろ 春畑 茜 2005年03月06日 (日) 14時53分
ぬばたまの黒ひと粒の泣きぼくろ遺影のひとはつねにほほえむ



049:ワイン 春畑 茜 2005年03月06日 (日) 14時51分
ほの甘く生きてもみたき心地して〈おたるワイン〉の白を選べる



038:横浜 行方祐美 2005年03月06日 (日) 13時58分
横浜より手紙届かぬさんがつがまた雨となりまた風となり



027:液体 黒田康之 2005年03月06日 (日) 13時40分
バス停に少女が一人立っていて見知らぬ名前の液体を飲む



007:発見 てん 2005年03月06日 (日) 12時14分
くちづけを交わすその度発見す君がくちびるのほどよき厚さ



006:時 暮夜宴 2005年03月06日 (日) 11時33分
春おぼろ時空の溝で溺れてるわたしの滑車を回して欲しい



026:蜘蛛 風花 2005年03月06日 (日) 11時20分
海蜘蛛のキラキラ光る尾の糸の真珠の粒を君に捧げる



005:サラダ 杉山理紀 2005年03月06日 (日) 09時12分
知らなくていいことを知る必然にどんなサラダも乾くのだろう



035:禁 川内青泉 2005年03月06日 (日) 08時31分
禁犯し楽しむこと多かりき人には言えぬ我が秘密なり



008:鞄 足立尚彦 2005年03月06日 (日) 07時49分
鞄には裏側があり裏側にほとんど誰も見ない裏側



028:母 田貫 砧 2005年03月06日 (日) 02時48分
清潔なままで男児を生んだから聖母 などとは何たる不潔



025:泳 田貫 砧 2005年03月06日 (日) 02時46分
新宿の夜を泳げば路地裏に何を売るらむ外つ国の声



005:サラダ 丹羽まゆみ 2005年03月06日 (日) 02時23分
たっぷりと空気を抱いたサラダ菜のように育てるわが卵子たち



011:都 愛観 2005年03月06日 (日) 01時54分
たまに会う夜でも君は都会では見えない星の話ばかりする



001:声 玲はる名 2005年03月06日 (日) 00時58分
鬼の爪抜いておいでと童らのうた声ひとつふたつと消える









at 23:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)題詠マラソン鑑賞 

題詠マラソン 過去ログ17から

052:螺旋  謎野髭男 2005年03月06日 (日) 00時20分
逃げ走る飼い豚捕らう途(みち)難く辛くもつかむ螺旋の尻尾


001:声 荒井直子 2005年03月06日 (日) 00時11分
三月の体育館はしんとしてあなたの声がわたしを呼べり


017:陸 有田里絵 2005年03月05日 (土) 23時56分
生命が陸に上がったその夜も星は変わらず輝いていた


025:泳 黒田康之 2005年03月05日 (土) 23時50分
この街を泳ぎきるには酔いすぎて立ちすくむには幸せすぎる


018:教室 ベティ 2005年03月05日 (土) 23時39分
内緒だよ、恋を叶える教室はあなたがあなたを好きになること


025:泳 参田三太 2005年03月05日 (土) 23時32分
草いきれ泳ぎ覚えし溜池はぐるり「危険」のフェンス巡らす


005:サラダ 紫蘇女 2005年03月05日 (土) 23時31分
そうじゃないサラダを食べたいわけじゃないドレッシングのキラキラが好き



014:主義 ベティ 2005年03月05日 (土) 23時22分
左手に移り香残る夜でした恋は右手で掴む主義です


008:鞄 落合朱美 2005年03月05日 (土) 22時27分
鳴り響く携帯探すカフェテラス鞄の中身をぶちまけており


002:色 田丸まひる 2005年03月05日 (土) 21時45分
さりさりと燃える橙色の街 つよがっていたわたしがわるい


015:友 おさと 2005年03月05日 (土) 21時12分
友がみなわれよりエラクナッチャッタ産着洗って干してるあいだに


021:うたた寝 岩井聡 2005年03月05日 (土) 20時32分
うたた寝の夢からつづく夕暮れの果てしない鬼遊びの果て 誰


054:靴下  謎野髭男 2005年03月05日 (土) 18時16分
靴下と何度言わるもツクシタと答えて笑う幼児(おさなご)ありし


021:うたた寝 17番 2005年03月05日 (土) 17時39分
うたた寝に必要なのは背(せな)と腕毛布は要らぬ枕も要らぬ


010:線路 ハナ 2005年03月05日 (土) 16時07分
両足を線路のようにまっすぐに伸ばす私に辿り着いてよ


009:眠 ハナ 2005年03月05日 (土) 16時06分
噛み合ったあとの寂しさ眠ったらひとりになるよ毛布 ください


008:鞄 ハナ 2005年03月05日 (土) 16時05分
鞄には母が勝手に押し込んだ餅や林檎や千円札や












at 17:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)題詠マラソン鑑賞